昼寝用仮眠室

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月曜日の友達(1)

 本当生きづらい

月曜日の友達(1) (ビッグコミックス)

月曜日の友達(1)

 

空が灰色だから以来読んでなかったので久しぶりに阿部共実先生の作品を手にしてみたけどやっぱいいすね。

 

概要

中学生に上がった水谷茜は急に大人びた態度をとるようになった友人の話になかなかついていけなくなっていた。家でも姉と比較されるのが嫌になり月曜の夜に逃げ出してしまう。無意識にたどり着いた学校で見たのは同じクラスの不思議な雰囲気を持つ少年、月野透。 彼は超能力を使いたがっていて一度話したときの経験から水谷を必要としていることを訴える。 悪い気のしない水谷は月曜の夜、一緒に会うことを約束するのだった。

 

登場人物

月野透:不思議な少年、超能力を信じて使いたがっている。弟、妹がいる。

水谷茜:中学生になり、変わっていく周りや、優秀な姉にコンプレックスがある。

 

感想

世間とずれたところにある生きづらさみたいなものを拾う力が一級品。

 

特に小学校→中学校って一番背伸びする奴が出てくる時期だし、違う小学校から来たメンバーが混ざるから急に環境が変わるんだよね。小学校6年もやってると変化に対して耐性無いときっついよなぁ。

 

 他人にとっては変だったり同調圧力に対する耐性のなさってのが不寛容な世界で、お互いに尊重できる友達が見つかるというのは自分で稼いで逃げ道を勝手に見いだせる年になってない不自由さから考えると奇跡みたいなもんだよな。

 

この後二人が幸福になるのか不幸になるのか、成長するのかしないのか。ただ、成長というのがステレオタイプな考えを受け入れるいわば諦めに近いものなのか、強い自己肯定感を持つにいたるのか。 興味は尽きない。

 

また透に対する気持ちもどう変化していくのか。茜に対する気持ちもどう変化していくのか。 小さな監獄の囚人の小さな脱出劇に見どころは山盛り状態。

 

なんとなく文学的雰囲気があるから文章だけでもある程度良いものができるんだろうという感触があるんだけど、適宜表される表情の細かさや空間の広さ・色とか見ると「やはりこれは漫画で読まなきゃだめだな」と思わされるので流石だ。

 

これは本当に良い漫画ですね。