昼寝用仮眠室

漫画を読んだり映画を見たりゲームをやったりした感想を書いたり等々

25時のバカンス

 

やはり短編が良い

 

本日の議題です。

 

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

 

25時のバカンス

アニメ化される宝石の国の作者、市川春子さんの作品集の二つ目です。
虫と歌の時も書きましたが市川春子さんは短編が面白いので是非チェックしてほしいです。

 

収録作品

 

25時のバカンス
パンドラにて
月の葬式


概要

 

25時のバカンス

 

空知製薬の深海圏研究室副室長を務める西乙女は名物天才科学者でありチームでも人気だ。
しかし研究室が社内再編により解散となってしまい、まったく休んでいないことがばれた乙女は長く会っていない弟とバカンスに行く。
弟の甲太郎昔は珍しい生物を写真に収めるのが趣味のカメラマンになっていた。
対する姉は深海生物を食べた経緯から人間をやめて貝殻になってしまっていたのだった。

 

パンドラにて

 

地球より13億キロにある土星の衛星パンドラのハエマト・パンドラ女学院に44名の新入生がやってきた。
4年間の学業が終わると同じく土星の衛星であるエンケラドゥスへの研究に加わることを目的とし集められたのだ。
在学生の二条はこの新入生が集まる機会に乗じて理事長の秘宝のワインを盗むが、
なぜかその途中ぶつかってしまった新入生が逃げた先の別館までついて来てしまう。
その無口の新入生にやたらと気にされる二条はどことなく昔あった友人と同じ感覚を新入生から感じるが…


月の葬式

 

親の期待・勉強の答えがわかってしまうことに嫌気がさし受験の日にわざと電車を間違えた男が
雪の中、交通手段を求めてよった場所で美形の男につかまる。
どうやら自分のことを弟と偽ってかくまってくれるようであるその男は月から来た王子だった。
ただ、地球に来た理由はある病気の進行を遅らせるためで…という話。

 

ネタバレというか内容含めた感想

虫と歌同様市川春子節全開でとても良いです。

虫と歌は陸、空が舞台のSFという感がありましたがこちらは海と宇宙が舞台になっています。 宝石の国もかなり海と宇宙の話があるので本書の考えというか知識、描きたかったことが地続きになっているのではと感じます。

 

それにしても出てくるキャラがクールでいいですよね。
上司「冷たいお茶が飲みたいな――」
乙女「階段下りた所にソルトフレーバーの天然水がいくらでも」

とか

「寂しいのは悪いことではありません 他の存在に感謝できます」
「孤独は生まれてから塵に帰るまでの苦い贅沢品です」

とかね。
微妙にコーヒーのくだりがあったりしてそのようなもんだということなのでしょう。

 

納得とか同意するか各々にまかせるとして「あぁ」って思わされることが多い。
よくわからないところもあるけど素敵だということは良くわかる。