昼寝用仮眠室

漫画を読んだり映画を見たりゲームをやったりした感想を書いたり等々

虫と歌

 

笑える中にもセンスと知識が光る

 

本日の議題です。

 

 

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

 

虫と歌

 

2017年10月からアニメ化される宝石の国の作者、市川春子さんの作品集です。 個人的には市川春子さんは短編がめちゃくちゃ面白いので是非こちらもチェックしてほしいですね。

 

 

収録作品

 

星の恋人
ヴィオライト
日下兄妹
虫と歌

 

 

概要

 

星の恋人

 

叔父の所へ居候に来たさつきは昔会ったときのことを思い出していた。 叔父さんに首飾りを作ろうとして指を切り落とした事を。 家に着いたさつきは庭で水やりをする女性に目を奪われる。 彼女は僕の指だった。 そして自分は元は植物だったと知らされたさつきだが…

 

ヴィオライト

 

雷が原因の飛行機の墜落事故で生き残った大輪未来と天野すみれ、静電気を起こしやすいすみれと相性が悪いながらも助け合いながら生還を目指す未来だが…

 

日下兄妹

 

肩を故障した野球部のエース日下雪輝は自宅で休養中に破損品の箪笥の留め具が動くのを目にする。 日々成長する留め具はやがて知識を蓄えはじめしゃべり始める。 雪輝は生まれてこなかった妹の名前をつけ世話をするようになるが…

 

虫と歌

 

虫の模型作成を職業とする兄と生活する3兄妹。 ある深夜、昔実験に失敗して海に沈めた人型の虫が家に戻ってくるが…

 

ネタバレというか内容含めた感想

 

何に分類されるかわからない不思議な漫画ですがあえて分類するならSFかなと思います。 ある程度以上調べている(知識がある)んだろうなという感覚があります。 絵自体は線が少ないですが必要な線は描いてきているので見やすく、時間の表現をコマに落としてくるのがとても上手いと思います。 キャラの発言や冗談もクスッと笑えるものから心に刺さってくる発言まで幅広くあるのも魅力です。

 

この4作品の中だと日下兄妹が一番好きですね(わかりやすいというのもある)。 一部発言を引くと
「肩はいい 十年かかって壊した」「7つの俺はこわくて迷うことすらできなかった」「でも必死でやればいつか壊れて自由になれる」
とか、年齢を重ねてくると子供は自由奔放であるとかそういう、子供とはこうであってほしいみたいな作品を作るようになってくる方も多いと感じますが、小さい頃にあった子供であることの不自由さみたいなものがまだ心にあるんだなぁと感心します。

 

「女房役とはいっても自分幼妻設定なんでー」
とかね